週末旅 伊東編 旅の余韻
旅の道中、踊り子号の車窓に満開の山桜が見えたが、撮影したのはこの1枚だけ。自然に囲まれていると、なんだかそれだけで満足し、写真より目に焼き付けておきたいと思ってしまう。という言い訳。
伊東の繁栄の象徴だと勝手な印象をもった温泉宿 東海館さん。宿が街の雰囲気を作り、街並みが建物を引き立たせる。泊まってみたいものだが、叶わないようだ。
宿の庭の海岸線に立つ妻。突如、海に向かって念を送り出す。春は何かと浮き足立つものだけれど、こういう形で表現するとは。
雌雄不明だが、明らかに男前。ロックオンされ、心を梟掴みされたい?ちょっと爪が食い込みがちですけどね。心のキズもまた想い出。は?何の話?
本編に続き再掲。手前から3台目が今年7月に引退する車両らしい。伊豆急でんしゃまつりが催されていた模様。駅が賑やかだった訳ですね。
週末旅 伊東編 その6
次はカピバラの入浴シーン。ペットは飼い主に似るというが、カピバラもまた飼育員さんによく似ていた。
カピバラはお湯張りのタイミングを覚えたらしい。カピバラ風の飼育員さんが話を始めると、湯船に陣取る姿は可愛い。
シャボテン動物公園と名乗るだけあって、シャボテン、言い換えるとサボテンの種類はもの凄い。彦摩呂さん風に言えば「サボテンの宝石箱ヤー」だろうか。
動物たちとのお戯れにも満足し、園外でシラス肉まんと出来立ての饅頭を求めた。よく出来た肉まんを食べながら動物たちを想った。
エサを貰うために、愛らしく振る舞わねばならない動物たちの生き様には、同情するものがある。確かに手乗りザルたちは、ひとしきり食事を済ませると、まだエサを持っている客を無視して彼らの宿舎に戻った。だがこれは仕方ない。ずっと仕事をしていては身が持たない。リーマン猿でいいのだ。私もサルリーマンを目指そうと思う。なんのこっちゃ。
バスで伊豆高原駅へ。伊豆高原駅は頑張っていた。伊東駅より賑やかかもしれない。
近隣に食事処はやや少ないが、5分ほど歩いたところに回転寿司屋を見つけた。俄然安心感で満ちた昼食だ。皿の色さえ間違えなければよい。しかし妻は数皿で箸を止めた。肉まん効果か。
駅に戻ると、都合よく帰りの踊り子号がやって来た。妻は車内でぐっすり寝ている。久しぶりによく遊んだ週末だった。宿を取り、乗る電車と食事処を調べてくれた妻には大感謝である。
週末旅 伊東編 その5
宿を発ち伊豆シャボテン動物公園に向かう。手乗りザルと戯れ、カピバラの入浴を覗くらしい。私は少しだけ多肉植物に期待している。
某水族館と同様、入園後に写真撮影が待っている。撮影の合図は「チンパンジー」。無邪気を装って、固い笑顔を晒す40歳半ばのおじさんを撮るお姉さんは、仕事とはいえ辛かったろう。おじさんも辛い。
手乗りザルとのお戯れタイムはすぐに訪れた。200円で小さなエサ3粒。3回のチャンスをどう活かすか。
周囲を見回すと餌やりが上手い人には共通点がある。動きはサルよりゆっくり。気持ちはサルに寄り添う。そしてサル顔。親近感が重要か。
仮に指先を噛まれたなら「大丈夫。怖くない」と言えばよい。ナウシカで学んだ。
妻に1粒分けて貰い、腕の関節のくぼみに置いて、サルに手を差し出す。私がサルなら、腕を伝ってエサに手を伸ばすだろう。この作戦は上出来だった。
週末旅 伊東編 その3
夕食は 鰻まとい さんのうな重。昼に店前を通った際に、売り切れの看板が掲げられていたお店。予約がないにも関わらず通していただけた。鰻は身が柔らかで、しっとりふんわりしていた。
本日の宿に向かう。路線バスが宿を経由するらしい。時刻表はあと15分でバスが伊東駅を発車することを示している…が、土日休止のマークもついている。土日運行便の出発は1時間後。
休日運休は珍しくない。いわゆる地方あるあるだが、解決策はほぼないない。こんな時はタクシーを利用する。
地元タクシーは旧道を進む。真っ暗で対向車とのすれ違いが恐い。新道はスピードが出るが遠回り。選択は微妙だったが、ほぼ想定金額に収まった。
宿は老舗の佇まい。部屋まで案内する矍鑠(かくしゃく)とした紳士は、サッと私のカバンを持ってくれた。すました顔だが重いのだろう。時折ウフンウフンと声が漏れる。
案内された部屋はタバコ臭く、禁煙室に交換いただいた。快適な部屋を手にできたが、道中、紳士にまたウフンと言わせてしまった。